パリ・オペラ座バレエ情報!

まだ日本で知られていないフランスのパリ・オペラ座やオペラ座バレエ学校の様子やフランスメディアからの情報を発信してます!

2018年-2019年、パリ・オペラ座の新シーズンの開幕はこの演目から!

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2018年9月から、新シーズンのパリ・オペラ座が開幕します。

しょっぱなの演目はやはり「デフィレ」から始まります。

ガルニエ宮で9月27日20時から開幕します。

 

youtu.be

 

↑ 2018年9月のデフィレからの開幕のプロモーションガラです。
撮影の中身はバレエダンサーとファッションショーの融合作品のように動画制作されています。

協賛がロレックスとシャネルなので、バレリーナの存在がフランス社会のなかで多角評価されていることが決定つけられている証拠です。

 

パリ・オペラ座の2018年ー2019年、新年度はコンテンポラリーダンスが主力

 

デフィレの後は2時間のバレエコンサートになりますが、例年と違い、新進振付家によるコンテンポラリーバレエが目玉となります。

 

時代はどんどんクラシック作品ではなく、バレエのテクニックを十分に披露できる高ベルのダンサーによる現代バレエがフランスでは求められているからでしょう。

 

コンテンポラリー作品はOhad Naharin オハッド・ナハリンによるDecadanceという作品になります。

 

オハッド・ナハリンはバットシェバ舞踊団の振付家で、世界的に有名なコレオの一人です。

 

近年、日本でもこの舞踊団が来日して、日本初公開の『LAST WORK』を発表しました。コレグラフィー自体は、動的な力強い動きが多い中、それとは逆に繊細なちょっとした動きや表情も見せるダンサーを起用していることが特徴です。

 

www.youtube.com

 

細い体、外見はパッと見きれいなだけのバレエダンサーは今の時代もうフランスでは求められていないのが一目見て理解できます。

 

体で表現するダンサーなので、ただのっぺらぼうのように薄っぺらい身体で何も伝わってこないとフランスのバレエ界では以前からずっと言われています。

 

他のバレエ団の客演・移籍も自由にできないパリ・オペラ座の真実:1989年ギエムの場合

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http://www.ina.fr/video/CAG05072159

(インタビューは1989年2月22日にされたものです)

 

元パリ・オペラ座のエトワール、シルヴィ・ギエムの貴重なインタビュー映像の紹介です。

 

このインタビューはイギリスのロイヤルバレエ団に移籍直前のインタビューで、その中でオペラ座経営者幹部が彼女のバレエ団移籍希望の嘆願書について何も返事をしない事実が明らかにされています。

 

 

インタビューの中でも、ダンサーとしてオペラ座の中で自由を感じられないことが原因でロイヤルバレエ団への移籍を決意した模様が語られています。

 

パリ・オペラ座バレエダンサーが他のバレエ団への客演やガラ公演は全て書面上の許可が必要?!

 

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インタビューの中で浮き出てきますが、バレエダンサーが自由に他のバレエ団の客演やガラへの出演もオペラ座以外での公演への出演について全て、オペラ座のディレクターの書面での許可が必要ということになります。

 

ギエムさんの場合、2度も移籍の許可を求めましたが、当時の劇場のディレクターからは何も書面上でも口頭でも回答がなかったと語っています。

 

動画1”40で彼女の話している内容によると、もしオペラ座の回答が最後までなければ、オペラ座を永久に去ると決意を語りました。

 

シルヴィ・ギエムがパリ・オペラ座を去った本当の理由

 

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動画の2分10秒あたりで、シルヴィ・ギエムが当時のパリ・オペラ座の自由のきかないバレエダンサーの雇用契約についていろいろなことが明白にされていない事実も語っています。

 

例えば、

 

  • 年間のバレエプログラム、
  • スケジュール
  • 他のバレエ団へのゲスト出演
  • 雇用条件等

 

についてバレエダンサー自身にも明白に伝えられていない事実が述べられています。

 

こういう事実が明白になるにつれ、いかにパリ・オペラ座がフランス世間からも切り離されている場所ということが浮き彫りになっています。

 

ギエムのロイヤルバレエ団の最初の雇用契約はたったの〇年!

 

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最後に、ロイヤルバレエ団でのシルヴィ・ギエムの契約は、ゲストバレエダンサーとしての地位で、3年雇用の契約だといわれています。

 

彼女でさえロイヤル・バレエ団でのバレリーナとしての契約はたったの3年間だったのに驚きを隠せません。

まだ日本で全く知られていない、「パリ・オペラ座の退職制度」について事実のまとめ

今回は、フランスのパリ・オペラ座、バレエダンサーの退職制度と年金制度について、ぐっと深く読み込んでみます。

 

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注意と警告

この事実は日本では誰一人としてまだ詳細に踏み込んでいません。こんにちはネットで誰でもが人がフランスの情報サイトからフランス語を日本語に要約した事実を簡単に倒錯し、いかにも自分が調べ上げた情報のように発表する詐欺が多くいます。  
 
この情報もその内の1つとなります。無断で勝手に転用、一部参考も不可です。著作権に少しでも違反する行為を見つけ次第、即刻、法律の規定により即刻通報いたします。情報の取扱いには厳重注意をお願いいたします。 
 
以上

 

 パリ・オペラ座ダンサーの年金支払い金額と退職制度の適応はいつから?

 

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オペラ座やフランスの年金情報によると、オペラ座のバレエダンサーの退職、年金についての具体的な計算方法について次のように発表されました。

 

L’assiette des cotisations de retraite des danseurs de l’Opéra de Paris correspond aux appointements et salaires fixes qu’ils perçoivent au théâtre. Les taux sont de 7,85% à la charge du salarié et 8,80% à la charge de l’employeur. En plus, les affiliés sont tenus de verser un droit spécial sur les places occupées au théâtre.

 

Pour accéder aux droits à la retraite de l’Opéra de Paris, les danseurs doivent effectuer au moins une année de service effectif au théâtre. Avant la réforme de 2008, cette durée minimale de services était de 10 années.

(参考:https://www.retraite.com/ より一部抜粋)

 

 フランスの退職についての情報誌Reraite.comによると、オペラ座のバレエダンサーは「正規雇用」されているダンサーに限り、バレエ団に入団してから満1年以上在籍すれば、年金は保証されます。

 

年金額はダンサーのお給料によって各自違ってきます。

バレエダンサーの年金支払い額は、お給料の7.85%と決められています。

 

 

パリ・オペラ座のエトワールの人たちは年収は約600万円ほどと公表されています。

 

workingballetdanser.hatenadiary.com

 

600万円×7.85%=471,000円

つまり年間で471,000円、月払いにすると39,250円の年金支払いが生じているということになります。

 

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日本の国民年金の支払は一月約16,000ですから、その約2倍強の年金がお灸力から天引きされているということになります。

 

フランスのバレエダンサーへの社会保障は日本と比較するとバレエ団に所属するということが職業として社会的に保障されているので、税金は高いですが踊ることだけで生活できる制度は日本も真似すべきことです。

 

パリ・オペラ座のバレエダンサーの退職年齢制度

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オペラ座のバレリーナの退職年齢は満42歳です。それ以前にも自己退団=自己退職もできます。

 

ただし、どのダンサーも42歳まで自動的にバレエ団に所属できるわけではなく、40歳になった段階で、あと2年間の在籍はオペラ座劇所側の承認が必要と書かれています。

 

この承認制度についてはどのようになっているのか詳細は明らかにされていません。

 

推量の段階ではありますが、40歳になった時にあと2年間のダンサーとしての在籍の承諾をオペラ座経営側から得られないダンサーもいるのではないでしょうか・・。

 

L’âge minimum légal requis pour accéder aux droits à la retraite des danseurs de l’Opéra national de Paris est de 40 ans. Ce départ à la retraite peut être retardé jusqu’à l’atteinte de l’âge de mise à la retraite d’office, qui est de 42 ans. Sous réserve de l’accord de l’assuré et par décision du théâtre, la prise d’effet de cette retraite d’office peut également être remise jusqu’au 31 juillet suivant la date d’anniversaire de l’intéressé.

(参考:https://www.retraite.com/ より一部抜粋)

 

オペラ座のバレエダンサーが一時的に踊れなくなった場合の充実した社会保障制度

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最後に、バレエダンサーは何かの拍子にケガや病気にもなったりしたときにも社会保障制度が充実しているので、一時的に職業としてのバレエダンサー休業の間も一定の生活保障が受けられます。

 

これも日本のバレエ団と比較にならないほど、ダンサーとしての職業がフランスでは確立されているということが理解できます。

 

Les assurés reconnus invalides, par suite d’accidents, de maladies, ou d’infirmités, après avis d’un comité médical, peuvent liquider immédiatement leur pension de retraite. 

(参考:https://www.retraite.com/ より一部抜粋)

 

この社会保障ですが、保証はどこから出資されるのかというと、オペラ座劇場独自の年金機関から支払われるという仕組みになっています。

 

ここで覚えておきたいのは、フランスでは国民年金の支払いは義務ではなく、任意です。 国の年金支払いの問題が山積みになっている現状、国民年金を支払うフランス国民は多くはないといわれています。

 

フランスでは、就職先の年金機関組織に加入して年金生活が保障されるため、バレエダンサーが40歳までの雇用年齢を42歳まで引き延ばすことができたのはベターな選択であると言えます。

パリ・オペラ座の2018年夏のプログラムは豪華!野外公演と無料コンサートの決定?!

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パリ・オペラ座が夏の期間、野外のバレエコンサートを行うようになってから、今年で5回目。フランスの主な劇場の国内ツアーを開催します。

 

この夏のバレエ公演は、野外で無料コンサートを行うというコンセプト。


5回目ということにはこれまでのオペラ座のなんらかの成功した結果があるからです。

 

そもそもの目的は、オペラ座の公演をフランス全土でもっと一般に広げようという認知度アップのために行われてきました。

 

オペラ座ほどの世界中で有名な劇場でさえも、このように無料コンサートをやるおとによってさらに観客動員数を国レベルで増やそうとしていることに感銘を受けます。

 

プログラムはコンテンポラリー作品とネオクラシックの作品。

クラシックは1つです。

 

やはり世界レベルのニーズとして、クラシックバレエに対する人気はゲンダイバレエやコンテンポラリーダンスに押され気味なんですね。

 

これからプロのバレエダンサーを目指すにも、コンテンポラリーダンスの重要性というのが把握できます。

 

2018年夏のパリ・オペラ座の野外無料公演のプログラムは次のとおりです。

 

作品をみて、今後のバレエ活動にどのような踊りが必要とされているのかを理解するためにも、作品を見ることは大切です。

 

パリ・オペラ座、夏季野外無料公演(フランス地方国内)のプログラム

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7月20日 « Le Trouvère » 
7月24日 « Les Contes d'Hoffmann » ホフマン物語

8月14日 « L'Histoire de Manon » マノン
7月25日 « Cosi Fan Tutte »

8月8日  « Soirée Millepied, Robbins, Balanchine » ミルピエ、ロビンス、バランシン作品

8月15日  « L'Histoire de Manon » マノン

8月29日  « Le Trouvère » 
8月25日 « Le Songe d'une Nuit d'été »
7月26日 « Les Contes d'Hoffmann » 

8月9日 « Le Songe d'une Nuit d'été » 真夏の夜の夢
8月17日 « Les Contes d'Hoffmann » ホフマン物語
8月17日 « L'Histoire de Manon » マノン
8月20日  « Cosi Fan Tutte »  
8月23日 « La Cenerentola » 
8月24日 « Le Trouvère » 

8月25日 « Cosi Fan Tutte »  
8月26日 « Cosi Fan Tutte » l

8月30日 « Le Trouvère » l

8月31日 « Le Songe d'une Nuit d'été » 真夏の世の夢

9月1日 « Cosi Fan Tutte »

9月2日 « L'Histoire de Manon » マノン

9月2日  « Les Contes d'Hoffmann » ホフマン物語

映画『パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たち』の豪華なバレエダンサーのメンバーの詳細

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パリ・オペラ座の若いバレエダンサーやエトワールたちの日常行われているリハーサル風景や、レッスン風景のドキュメンタリー映画を見たバレエファンはかなり多いと思います。

 

またDVDも2018年3月に発売されています。Youtubeでもフランス語版では、そのままDVDの内容も誰かがアップロードしています。(違法になっていないといいのですが)。

 

今回は主な出演している主なバレエダンサーがドキュメンタリー映画が終わった後、それぞれどうしているのか? 現在に迫ってみます。

 

オニール八菜 

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まだエトワールではないけど、外国人の活躍はオペラ座でも珍しいことです。才能はあるのに、不ファーストオファーはオペラ座の「シーズン契約団員」として採用された。

 

シーズン契約団員は、1年ごとの契約又は3カ月毎の契約になる。

いずれにしてもこの期限付きの雇用ダンサーは、他のダンサーのアンダーのアンダーとして舞台に出演できるチャンスがあるかどうかという過酷な状況でした。

 

ところが2014年に銀賞だったヴァルナ国際バレエコンクールをきっかけにオペラ座でのツキが回ってきた。スジェに昇進後、主演も多く、2016年にソリスト=プルミエール・ダンスーズに昇進、ブノワ賞を受賞というスピードデビューを果たした!

 

バレエ以外でもファッション界での広告塔のオファーが来るなど、バレエにとどまらず才能が開花し続けてる注目されているオペラ座ダンサーの独りです。

 

マチュー・ガニオ 

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このダンサーはバレエ界のサラブレッド。元パリ・オペラ座エトワールのドミニク・カルフーニと、マルセイユ・バレエで活躍したドゥニ・ガニオ

 

オペラ座での活躍は、ルグリのように年少ながら飛び級でエトワール任命され、今ではパリ・オペラ座バレエ団をしょって立つほどの存在を果たしている。

 

代表する存在となった。オペラ座の総監督であるオレリー・デュポンの手腕の元、これからも更なる活躍が期待されている。

 

アニエス・ルテステュ Agnès Letestu

このオペラ座の元エトワールもすごい。わずか16歳でパリ・オペラ座バレエ団に入団するほど才能が認められた存在だった。

 

退団後、世界各国のバレエ団からの客演オファーが今も絶えない状態です。彼女のフェイスブックを読むと分かりますが、2018年秋から1年間、パリの有名な私立バレエ学校の1つのディレクターに就任もしています。

 

また在団中から手掛けているオペラ座バレエ団のコールドのダンサーのレッスンを担当したり、衣装制作を手掛けたりと踊ること以外でバレエやダンスに繋がる世界でも活躍続けています。

 

バンジャマン・ペッシュ 

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元エトワールの彼は2016年2月にオペラ座を引退。オレリー・デュポンの私生活のパートナーとしても知られている。

 

オペラ座元芸術監督のバンジャマン・ミルピエに気に入られていて、アシスタントも務めるほどの経営者としての手腕の経験を積む。現在は「ローマ歌劇場バレエの副芸術監督」に就任し、バレエと繋がりをもちながら人生を歩み続けている。

 

ウィリアム・フォーサイス 

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フォーサイスの振付作品についてここでいうことはないが、振付以外にも大学で教師として活動したり、講演活動も行っている。

 

アメリカの南カリフォルニア大学グロリア・カウフマン・ダンス学部ではダンスを教えている。

 

パリ・オペラ座では、アソシエイト振付家としてオペラ座にも振付活動を積極的に行っていたが、ミルピエと退任とともにオペラ座を退任した。

 

現在はアメリカのボストン・バレエと振付コラボレーション活動をしていて、毎年1作品提供しながら振付活動に従事している。

 

ドキュメンタリーに関わったオペラ座のダンサーや振付家たちは、やはりバレエやダンスと深いかかわりあいをもちながら、退団した後もめざましい活躍を続けている。